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プロジェクトX 農業機械の開発にかける男たち
サトウキビの未利用資源を再活用せよ2
サトウキビの葉を回収利用せよ
開始編 平成14年度


 


■畑での試運転
 畑に機械を入れ,サトウキビの葉を刈ってみた。最終的にはサトウキビの葉を集めるために刃の前にかき込み
タインが付いた。刈り取りの構造は,出来上がっていたが,次は刈り取った葉をどうするかが問題だった。




■試作機の完成

溜池は来る日も来る日も鉄と格闘し続けた。家にも帰らずひげも伸び放題だった。
昨年度試した草を圧縮させる機械では,サトウキビの葉は梱包できなかった。
しかし,溜池は最後の方法をすでに考えていた。畜産用の裁断機を乗せることだった。


 ついに溜池が,思い描いていた機械の完成となった。黒木と喜が作った部品が乗せられた。
畑に行きサトウキビの葉を刈り,それを軽トラックに移した。
そのとき,鹿児島の梢頭部回収機試作機が完成した。
逆境の中でも、叩かれても夢を持って努力すれば路は開かれる。そして思いは必ず叶う。成功だ。


■事業化の要請
 ある日,徳之島支場の電話が鳴った。農畜産振興協議会から事業家の要請があった。
サトウキビハーベスタを作っている3社に事業に参加しないか打診した。鹿児島県内の2社の参加はなかった。
あとの1社は奈良県にある魚谷鉄工株式会社だった。
魚谷鉄工は独自の案で参加を表明した。しかしその案では,事業化は無理だった。
関係者は事業化をあきらめかけていた。しかし魚谷鉄工の開発部長三浦はすぐに図面を引き直し鹿児島に送った。
これなら通るかもしれない。そう思った。
鹿児島では,奈良県の会社に任せて大丈夫なのかと言った意見が出た。
9月の暑い日,魚谷鉄工の設計構想のプレゼンテーションが開かれた。
部長の三浦は独特の関西口調で汗を拭きながら熱弁を振るった。みな,心を動かされた。
機械の納期は3月初旬に設定された。





■徳之島へ機械搬入
 魚谷鉄工の機械が徳之島に到着したのは3月,検討会の2日前だった。納期は遅れていた。
早速グリーンの真新しい機体を,さとうきび畑に入れた。新規に開発された農業機械が,
多様な条件に合い,1発でうまく動くことは有り無かった。そのために改良の時間が必要だった。
今回は2日しかないので大きく欠陥があれば検討会では言い訳ばかりしなければならなくなる。
初日は,思った通りうまく梢頭部を回収することが出来なかった。改良作業は夜遅くまで続いた。
サトウキビハーベスタ



■検討会の日
 サトウキビ畑が,少しづつ明るくなるころに機械の調整は終了した。三浦部長,溜池,黒木には安心している時間
は無かった。自分達が作った機械が動き出した。サトウキビ産業のためになる。
検討会では,機械は開発者の期待を背に動いた。
参加者もその働きに満足だった。製品版の梢頭部回収機,誕生の瞬間だった




徳之島支場の3月の検討会が終わると,別れの季節だった。
溜池,黒木と過ごした久米は一緒にきた溜池を残し旅立った。
溜池,徳之島5回目の春が来ていた。




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