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しょうがの生産
鹿児島県
徳之島
原産は南アジアで,多年生草木です。地下茎(しょうが)は横に伸び色は黄色です。塊茎は辛みを有し分岐もする。暖かいところでは花が咲きますが,種はできない。しょうがの生産には前に堀取ったしょうがを使う。種しょうがから伸びた茎のもとの部分が肥大して2次塊茎となる。その後,2次塊茎から3次塊茎と分げつし,収穫時には通常5次までの塊茎で構成されている。塊茎には8〜10の節があり,各節に交互に芽が形成されるが,不規則に肥大成長する。塊茎は青果として用いるほか,香辛料・加工の材料として使用されます。
しょうがは用途により芽しょうが・葉しょうが・根しょうがに分類されますがここでは根しょうがについて紹介します。
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
奄美地域   植付   敷わら           収穫




温度条件は,高温多雨な熱帯から温帯で作られています。鹿児島県本土では,冬の寒さで枯れます。塊茎は休眠は無く18℃以上になると芽が動き始め萌芽(芽が出る)します。
 生育適温は25〜30℃が良く15℃前後以下では生育は停止し,しょうがは10℃以下で腐敗する。
 土壌条件は,砂地や粘質土でもいいですが,耕土の深い排水・保水性の高い土が最も良いです。根は,20cm以上の作土層が必要なので深く耕す。
 水分条件は,乾燥を嫌い,多湿を好み,土壌水分が不足すると肥大が止まります。そのためかん水効果の非常に高い作物です。
 日照条件は,生育初期には,日陰を好みます。生育最盛期には多日照を必要とします。何年も同じ畑で作ると連作障害が起こり収量が取れなくなります。
ショウガの花
しょうがは大・中・小の3群に別れ,群内にそれぞれの品種があるが,特性上の差は少ない。
 大しょうが群は,広東しょうがとして明治初期に導入され,九州・四国・関西関東の暖地で栽培されている。晩生種で草丈は70〜100cmと高く,葉柄基部の着色は淡く分けつは少ない。地上部の茎数は20本内外,塊茎は1株800g〜1kg,収 量は多い。肉質は柔軟で辛味は弱い方であるが,成熟するにつれて辛味が増し,貯蔵性が悪い。鹿児島県内で一般的に栽培されているのは,大しょうがである。
 中しょうが群は,葉しょうが,軟化物として用いられ,関西を中心に発達し全国的に分布している。中晩生種で茎は太く草勢は強い。塊茎は600gになる。草丈は50cm内外,分けつ茎数は多く50本程度出芽する。
 小しょうが群は,軟化栽培に多く使用され,関東が主産地である。早生から中生で茎は細く分けつ茎数は40本を越えることがある。塊茎は細く繊維が多い。水分は少なく辛味は強い。塊茎は500g程度になる。



■収穫作業の様子
ビーバーで葉の部分を切り取ります 収穫しやすいようにします
防風対策干ばつと同様,風に対しても被害が大きいので,防風ネットを周囲に設置する。また敷きワラが終わったらフラワーネットやきゅうりネットを高さ40〜50cmに水平に張り倒伏を防ぐ。台風時には1〜2株ずつ株の上部を結束すると効果があります。
 収穫作業に邪魔にならないように葉の部分をビーバーで切り落とします。その後にネットを取り除きます。


デイガ(掘取り機)で土を軟らかくします

土を落とし種しょうがと葉を切ります
しょうがをデイガで浮かせて,その後に手で引き抜きます。浮いているので引き抜きは容易ですが,この作業を繰り返すのは大変な作業です。土を落とし,葉といらない根を切り箱に積めて出荷します。





重さを量り箱に詰めていきます
収穫後は塊茎が乾燥しないうちに出荷や貯蔵する。

収穫が終わった畑 箱に詰めて出荷です 掘り上げたしょうが,下の黒いしょうがが
種しょうがで前年に植えたものです
貯蔵の適温は12〜16℃である。18℃以上では発芽し,10℃以下では腐敗する。湿度は90〜95%を保つように管理する。なお簡易に貯蔵する場合は,南向きの排水の優れる暖かい場所に横穴か縦穴を掘り1〜2列並べ合土をして再度並べる。これを数回繰り返し最後に雨が侵入しないようにワラで被覆する