にがうり(ゴーヤ)の栽培 うり科 |
鹿児島県では,にがうり(ゴーヤ)の栽培が盛んに行われています。にがうりは,うり科に属する1年生つる性作物。れいしやつるれいしとも呼ばれる。
葉は,有柄で掌状に5〜7片に深く裂け,花は,雌雄同株であるが雌雄異花です。
果実はコブ状突起があってでこぼこしていています。
果実にはビタミンCが多く含まれ,近年は健康野菜として注目されている。にがうりの生育適温は,17〜28℃で暑さに強いが,温度が高くなりすぎると,つるの伸びが悪くなり,実が付く雌花の数が減る。また,気温が低いと実が付かなくなり,実も大きくなりません。
鹿児島県の作型 |
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | ||
本 | 本土(半促成) | 植 | 収穫 | |||||||||
土 | 本土(普通) | 収穫 | 植 | 収穫 | ||||||||
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | ||
奄 | ハウス栽培春植え | 植 | 植 | 収穫 | ||||||||
美 | ハウス栽培秋植え | 植 | 植 | 収穫 | ||||||||
露地 | 植 | 収穫 |
生育中の様子 |
植えつけ準備 | 植付直後の小さい苗 | 根の様子 |
いろんな土で生育できるが,水はけのいい砂のような土が一番いいようです。定植から根が張るまで十分に水をやり,その後は土の状態を見ながら行う。にがうりは過湿には弱く,比較的乾燥には強いが,高温期や保水力の乏しいほ場では定期的なかん水が必要である。土の水分が多すぎたり,乾燥しすぎると曲がった商品価値のない実が多くできます。また,乾燥させすぎると実がすごく苦くなります。太陽の光が良く当たると生育がいい。いっぱい実が収穫出来る頃には,葉が茂り光が当たりにくくなるため,実の色が悪くなる。要らない葉っぱは取らないといけません。
にがうりは,連作で病気が発生しやすくなるので,接木苗をつかいます。
テープで絡まないようにします | 生育中 | ツルでつかまって伸びます |
花が咲いて実になるまで |
ニガウリは雄花、雌花があり同じ株に咲きますが、雄花と雌花の形は違います。
雄花(オスの花) | 雌花(メスの花) | 花の上に小さな実があります |
花が終わり実が付きはじめ | 実がなっている様子 | 花が落ちた実の先 |
■受粉作業
雄花の花粉を雌花に付けなければ実はなりません。ミツバチをハウスに放し受粉作業をさせます。
にがうりの異常果(黄色くなる果)の原因として,@雌花が温度が低いたっめに発育が悪い,A雄花が出来るときに温度が低く花粉ができない,花粉の量が少ない,B土壌中の水分が少ない等があげられる。温度が低い時期は昆虫の活動がないので,人工交配を必ず行う。15℃以下では花粉の出が悪いので,25℃程度まで待って花粉が出ていることを確認して午前中に受粉をする。
受粉を行うミツバチ,巣箱ごと養蜂業者から買ってきます。 1箱2万円程度です。 |
■管理作業
液肥をあげます | いらない葉を取ります | 収穫も近い |
追肥は,1回目は実が付きはじめた頃に行い,その後は20〜30日おきに,もしくは生育を見ながら行う。また,生育が思わしくない時は液肥による追肥を行う。
虫や病気に犯されている被害のある果,奇形の果,短小な果,色むらの果等の規格外の実は早めに取って捨てる。病害虫の被害にあっている葉,古い葉,重なり合った葉等を取り除き,光を十分に当てます。果実周囲のいらない葉を取り,ニガウリがきれいに緑に色づくようにする。棚上にある果実は棚下にひきだす。
収穫作業 |
収穫適期は,春期は開花後20日前後,夏期は開花後12〜14日前後を目安に,一定の大きさになったら早めに収穫する
実を見て収穫適期のものを探します |
収穫の笑顔 | 1つ1つ丁寧に収穫します | 高いところは台に乗って |
たくさんのニガウリが下がっています |
午前中の涼しいうちに収穫し,出荷するまでは涼しい場所に保管し,速やかに出荷する。実の長さはは25〜35cmで,身の重さ250〜300g程度が一番いい大きさです。