トマトの生産
鹿児島県
徳之島
トマトの生産
 トマトはナス科の草本植物で,温暖な気候条件に適している。普通は1年生草本であるが,生育環境条件が整えば長期間あるいは長年月にわたって生育を続けて次々と開花結実を行う。普通のトマトは,種まき後25日から30日で花芽が分化し,一つ目の花が付くのは,8〜9節です。その後,3節おきに花房付き,それぞれに5から6つの花をつける。
花は雌雄同花で自家受精するが,施設栽培では着果ホルモンや受粉昆虫が使用される。果実の大きさは100〜250gで子室は5〜6室に分かれる。
 収穫までの所要日数は開花後40〜60日であるが,温度が低いときは80日以上を必要とする。
8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
奄美地域 種まき 植付       収穫



■定植直後

畑に植え付けられたトマト





誘引します 次々に誘引が必要です

整枝・誘引
支柱立ては定植後早めに行う。支柱は,2mおきに立て,最上部の高さは1.8m程度に止め,トマトの茎葉や果実重に耐えるように補強する。
各節から腋芽が強く伸長するので,できるだけ小さいうちに取る。


■花と実の様子

黄色い花が咲きます




実が大きくなってきました


交 配
・ホルモン処理

・マルハナバチ
マルハナバチは,花粉を求めて放花する習性があるので蜜のない花(トマト,なす等)にも飛来して,受粉作業を行う。1コロニーが交配可能な面積は10aである。利用可能な期間は,1.5〜2か月程度である。マルハナバチの活動適温は10〜25℃で,30℃以上になると活動が弱まる。施設には,必ず開口部に防虫ネットを設置する。
 巣箱にはえさが一緒に梱包さ れており管理が容易になったが,えさの減り方を点検し,えさの供給や巣の状況を  常に確認する。


ハチの巣箱 活動するハチ





たわわに実るトマト
トマトは好光性作物で多量の日射量を必要とする。弱光は光合成を悪くし花数や草勢, 収量を低下させる。
夏期の強烈な直射日光は果実の着色を不良にするので,果実が葉で覆われている状態 が適当である。
トマトの果実はビタミンに富み,相当量のビタミンA,Cと若干のBを有し,無機塩類に  富み,栄養価が高く,生食用として重要であるだけでなく,その含有するクエン酸やリンゴ  酸は各種の調理,調味,飲料に供されている。
青いトマト




赤くなりかけのトマト


いよいよ収穫作業


収穫の笑顔


収穫作業



■トマトの品種
桃太郎(タキイ種苗)
  日本で栽培されている代表的な品種である。

ハウス桃太郎(タキイ種苗) 
 冬春期のハウス栽培用に育成された品種である。桃太郎と比較して果形はほぼ同じである。

ろくさんまる(サカタのたね)
 完熟果出荷向き品種で果実は豊円腰高で花落ちは小さく玉は硬い。

ファーストパワー(サカタのたね)
 ファースト系のなかで代表的な品種である。

真っ赤になっています



本物は甘いです